10月1日のワーキンググループで「最初からどのようにアップデートしてきたか、簡単にまとめたレポートがほしい」 とのご要望をいただきました。これまでの3回でお伝えしてきたことを、この1冊にまとめ直しました。
うまくいかなかったこと、こちらの誤りも、そのまま書いています。 数字はすべて同じ方法(データを半分に分け、片方で学習してもう片方で測る)で出した実測値です。
大阪府が仮選別で「引き渡す」と判断された簿冊は、1,116件です。 このうち1,095件は満了簿冊一覧(64,454件)の中に見つかりましたが、21件は一覧に見当たりません(第8章A)。 当社が機械的に測れるのは、一覧の中にある1,095件だけです。本書の割合は、すべて1,116件を分母にしています。
1,116件は64,454件の1.73%にあたり、全体に薄く散らばっているため、いまは全件を順に見ていくしかありません。
この資料は、2026年9月9日の第1回ワーキンググループから、10月13日の第3回までを扱います。 それ以前(8月)は当社内での試作段階で、皆様にお見せしたものはありません。
| 時点 | 検証対象 | 正解 (分母) | 上位3,000件で 見つかる件数 |
上位20%で 見つかる件数 | その回で入れたもの |
|---|---|---|---|---|---|
| 9/09 第1回WG | 62,964 | 1,116 | 538件 48.2% | — | 規程 別表19項目との照合に、分類記号の実績を足しました |
| 9/17 ステコミ | 62,964 | 1,116 | 742件 66.5% | 954件 85.5% |
簿冊名がそのまま一致した実績を足しました(709件→742件) |
| 10/01 第2回WG | 64,454 | 1,116 | 785件 70.3% | 985件 88.3% |
所属の移り変わりを手がかりに足しました(742件→771件→785件) |
| 10/13 第3回WG | 64,454 | 1,116 | 件数の数え方そのものを 変えました(第5章) |
似た簿冊を「束」にまとめるやり方に切り替えました | |
簿冊名の言葉だけを見るより、分類記号ごとの過去の引渡実績を使ったほうが当たりました。 「この記号の簿冊は、全体平均の何倍の割合で引き渡されてきたか」という形で使っています。
年度違いで同じ簿冊名が繰り返し登録されています。 過去に引き渡された簿冊名と同じなら、今回も引き渡される可能性が高い。 これで 709件 → 742件 に増えました。
担当所属と作成所属名が違う簿冊に注目しましたが、最初は1つの目印として扱っていました。 組み合わせごとに数え直したところ、まったく性質の違う2種類が混ざっていました。
| 担当所属 ← 作成所属名 | 件数 | 引渡率 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 子ども家庭企画課 ← 家庭支援課 | 437 | 0.00% | 名前が変わっただけ。1件も引き渡されていません |
| 貝塚子ども家庭センター ← 岸和田子ども家庭センター | 268 | 0.00% | |
| 市場・検査指導課 ← 流通対策室 | 51 | 19.61% | 仕事そのものが移った。全体平均の10倍以上 |
| ブランド戦略推進課 ← 流通対策室 | 151 | 18.54% |
1つの目印では、この2つが平均4.94%に潰れていました。 組ごとの実績/作成所属名そのものの実績/名前の近さ/すでに無くなった所属かの4つに分け、 771件 → 785件 に増えました。
満了簿冊を 担当所属 × 分類記号 × 保存期間 でまとめると、12,677の束になります。 一覧の中にある1,095件がどこにあるかを数えると——
記録として、効かなかったものも残します。
所属の移り変わりを正確にたどれると考えて読み込みましたが、 担当所属221種のうち186種(84%)が沿革に出てきませんでした。 とくに出先機関(事務所30種・センター15種)はほぼ100%が未掲載で、 いちばん効いている組み合わせが軒並み載っていませんでした。 精度は 71.7% → 72.0%、誤差の範囲です。
方向性は合っていて、たどれた26組では「機能が移った」9.43%/「名前が変わっただけ」5.16% と、 きれいに分かれています。母数が足りないだけです。 (なお監査委員会事務局の沿革PDFは5ページすべて画像で、文字が取り出せませんでした。 ここは正解100件・全体の9.1%を持つ最大の所属です。)
「古い簿冊ほど歴史的文書になりやすいのでは」と考えて試しましたが、 59.1%と、かえって下がりました。
ご提供いただいた86件は分類CDがすべて B3(旧システムの体系)で、 満了簿冊一覧の E-xxxxx 体系とは別でした。突合すると一致0件/86件。 年度も令和4〜7年度でまだ保存期間中のため、今年の64,454件には含まれていません。
したがって今年の精度には効きません。来年度以降に満了してくる分の判断材料として使えます。
1件ずつ順番に見ていくやり方では、一覧の中にある1,095件すべてを見つけるのに59,968件(全体の93.0%) を確認する必要があります。つまり、件数はほとんど減りません。
束の順に開いていく(開いた束は中身を全部見る)やり方だと、こうなります。
| 一覧の中にある1,095件の… | 束で見る | 1件ずつ見る(従来) |
|---|---|---|
| 95%が見つかるまで | 11,546件(17.9%) | 18,752件(29.1%) |
| 99%が見つかるまで | 12,681件(19.7%) | 32,557件(50.5%) |
| 100%が見つかるまで | 30,258件(46.9%) | 59,968件(93.0%) |
引き渡すべき簿冊が1件も入っていない束のうち、5,468束(52,892件)は2件以上がまとまっています。 束ごとに1回確認すれば片づきます。
| いまの作業 | 束で見る方式 | |
|---|---|---|
| 1件ずつ中身を見る | 64,454件 | 約5,000〜12,700件 |
| 束ごとまとめて確認 | — | 12,064回(59,488件ぶん) |
| 画面上の操作回数 | 64,454回 | 約17,000回(約1/4) |
| 全件に目が通るか | 通る | 通る |
| いつ | 申し上げていたこと | 正しくは |
|---|---|---|
| 9/17→10/01 | 1,490件は簿冊名が空欄の行です | 簿冊名の空欄は0件。初回提供に含まれていなかった1ファイル(北河内府税事務所)でした |
| 9/17→10/01 | 簿冊名で判断する限り上限は89.0%です | 89.1%は4項目だけで測った数字でした。使う列を増やせば上限自体が上がります。 なお、この「上限◯%」という言い方そのものも改めます(第7章①)。 |
| 10/01→10/13 | 完全に重複している行が1行あります | 6組12行です。うち2組4行は全22項目が完全一致(別添②) |
| 10/01→10/13 | 分類記号が空白の44件があります | 分類記号の空白は0件。空白なのは「公文書館仮選別」列でした(別添③) |
後の2件は、いずれも「どの列の話か」を書いていなかったことが原因です。 10月1日に「主語がないから、どれを指しているのか分からない」とご指摘いただいたことと、同じ根っこでした。 以降、件数を申し上げるときは「どの列の・どの所属の・いつ時点の」を必ず併記します。
満了簿冊一覧の中に、項目の中身がまったく同じなのに、片方は引渡・片方は対象外という 組み合わせがあります。この場合、どんなAIでも見分ける材料がありません。
| 判定に使う項目 | 見分けがつかない 組み合わせ |
そこに含まれる 引渡すべき簿冊 |
|---|---|---|
| 簿冊名・分類記号・保存期間・担当所属(4項目) | 85通り / 334件 | 136件 |
| いただいた全列(7項目) | 33通り / 195件 | 66件 |
つまり、一覧の中にある1,095件のうち66件は、項目を見るかぎり「対象外」の簿冊と区別がつきません。 残る1,029件は、原理的には見分けられます。項目を増やすと、この66件がさらに減ります。
だからこそ、残りの束も「まとめて確認」という形で必ず目を通していただく設計にしています。
いまお預かりしている正解は1,116件・1年分だけです。 これがAIの判断の裏づけのすべてで、精度を決めている最大の要因です。
10月1日に「そもそも取れない/取り込めない」とのご回答をいただき、この線は取り下げました。 簿冊単位の情報だけで到達できる範囲を前提に設計し直しています。
判定方式のうちルール方式の数字は62,964件時点のままです (圧縮47.7%・見逃し42件など)。誤りではありませんが母数が違うため、 該当箇所には「9/17時点・62,964件での実測」と明記しています。測り直しは次の宿題です。
10月1日のワーキンググループでは、当社から「お調べいただけますか」というお願いの仕方を してしまいました。本来これらは、当社が明らかにすべきことでした。 あらためて整理し、当社で判断できるものは、すべて結論を出しました。
| 内容 | 当社の結論 |
|---|---|
| 一覧に見当たらない21件 | (a) 8件=保存期間の延長/(b)〜(e) 13件=登録の振り直しとして扱います。 いずれも精度の計算には含まれないため、どちらであっても実務上の支障は出ません |
| 重複している6組 | (A) 2組4行は重複登録と判断します(2行とも対象外のため、母数は次回の測り直しで 64,452件に揃えます)/(B) 4組8行は別の簿冊として扱います |
| 照合キー | 簿冊副題を加えた7項目に変更します。(B) の4組が6項目では区別できないためです |
| 分類記号「B3」 | 旧システム由来の目印として扱います。判定上の特別扱いはしません |
| 「公文書館仮選別」が空白の44件 | 26件(59%)が都市整備部 経営管理課に集中し、出典も1ファイルだけです。 判断の保留ではなく記録漏れと判断します。正解には含めず、 AIの上位に来たものは「要確認」として必ずお出しします |
| 簿冊の中の文書情報 | ご提供が難しいと伺いましたので取り下げます。簿冊単位の情報だけで設計し直します |
10月13日までに特段のご指摘がなければ、この6点はこのまま確定させていただきます。 大阪府側でお調べいただく必要はございません。
| お願いするもの | あると何が変わるか | 無い場合 |
|---|---|---|
| 過年度の仮選別データ (前年度・前々年度) |
正解が1年分しかないことが、いまの成績を決めている最大の要因です。 年度が増えれば、項目だけで見分けられる簿冊が増えます。 加工は当社で行いますので、費用もお手間もいただきません。 | 今年の1,116件だけで進めます。束で見る方式は、1件ずつの方式より 正解データへの依存が小さいため、無くても成立します |
| 所属コードの新旧対応表 (旧コード・旧名称・新コード・新名称・改編年月日) |
組織改編で所属名が変わった・課が移ったケースを、機械的に追えるようになります | いまどおり、データの中から推定して進めます (9/27の沿革20本では記載が16%で足りませんでした) |
どちらも「探してでも出してください」というお願いではありません。既にある形でお借りできるようでしたら、という趣旨です。